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【8月3日広報】(ヂメンシノ事件26)

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 8月3日には一部のマスコミやネットの掲示板で『今回の件で担当者が自殺した』との話が出回った。恐らく担当部長の井澤のことだろう。スポーツ新聞や週刊誌の記者が本社に押し掛けてきた。

 満水ハウス広報は「そうした噂が流れているのは把握していますが、自殺などしていません。事件の詳細は警察に相談しているので、口外できません」とコメントした。

 この記事がネットに流れると、たちまち人気記事になった。

 広報部は電話が鳴りっぱなしで、もはや機能していなかった。

 平野はこの状況についても広報部長の中居から報告を受けていた。特に広報部の女性社員の士気が大幅に下がっているという。マスコミはしつこい。何度否定しても「上司を出せ」「嘘をつくな」といった脅しのようなものから、「女じゃ話にならん」といった信じられないような発言まで、広報部員は受けていた。

 一方で、一般消費者は被害者である満水ハウスに温かい反応をしているようだ。住宅展示場では見学者から「会社大変ですね」「頑張ってね」と声をかけられたという報告が複数入っていた。

(続く)

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ヂメンシノ事件